
はじめに
「このままで本当にいいのか?」
そんな漠然とした不安を抱えながら、朝の通勤ラッシュに揉まれている方も多いのではないでしょうか。
気づけば一日が終わっている。
自由時間はわずか、趣味も自己投資も「いつかやろう」で止まったまま。
実のところ、私自身もかつては「時間が足りない」を言い訳に、週末さえ気力を失って過ごしていました。
でも、それで本当に幸せと言えるのでしょうか?
答えを出すために、私は政府統計や幸福度に関する調査に目を通し、自分の時間配分を見直しました。
結果、自分軸で暮らすという実感が生まれたのです。
本記事では、国の統計や専門調査に基づいて「幸福度を上げる時間の使い方」を解説します。
あなたが一歩踏み出すためのヒントとなるはずです。
焦らず、でも確実に変えていきましょう。
自由時間は平日平均4.0時間で休日は約8.5時間に拡大
社会生活基本調査による平日自由時間平均約4.0時間と休日約8.5時間の実態
ガタン、ゴトン。
朝の電車の中、スマホを眺めているときふと「昨日、何してたっけ?」と自問する瞬間があります。
総務省の「社会生活基本調査(2021年)」によれば、
日本人の平日平均自由時間は約4時間、休日は約8.5時間にもなります。
え?そんなに?と思った方もいるかもしれません。
でも実際には、何に時間を使っているか把握していない人が大半なんですよ。
たとえば私も以前は「全然自由時間なんてない!」と口にしていましたが、
時間簿をつけてみると意外とダラダラSNSに費やしていたり、YouTubeを見続けたり……。
見直せば必ず“余白”は見つかります。
(出典:社会生活基本調査(総務省統計局))
自由時間が少ない層ほど幸福度が低下する傾向
実のところ、自由時間が足りないと「幸福度」そのものが下がるって知っていましたか?
独立行政法人・労働政策研究・研修機構の調査によれば、
自由時間が長い人ほどストレス値が低く、主観的幸福度が高いという傾向があります。
自分の時間がある=自分を大切にしていると感じられるのかもしれません。
私も自由時間が2時間を切っていたころは、
「なんとなく不機嫌」「誰かに文句を言いたい」みたいな感情をよく抱えていました。
でも、日常の中で“意識して余白をつくる”ことで、感情の余裕が生まれたのを実感しています。
とはいえ、自由時間=ぼーっとする時間ではありません。
意味のある活動や、心が整う時間であることがカギなんです。
(出典:働く人の自由時間と幸福度に関する調査(JILPT))
自由時間増加が精神的ゆとりと幸福度向上に寄与する理由
「時間がある」と「心が満たされる」は別物。
でも、その2つが重なると、生活の満足度はグッと上がります。
私が生活を変えるきっかけになったのは、“15分単位”の時間の見直しでした。
何にどれだけ時間を使っているか、あえて見える化してみたんです。
結果、SNSの無意味なスクロールに1日1時間以上……。
ぞっとしました。
この時間を読書や散歩、趣味に使うだけで、
「私は今、自分を生きている」と思えるようになったんです。
多くの調査でも、自由時間の使い方次第で幸福度が変わると示されています。
時間が「消費」から「投資」になったとき、人は変わります。
あなたの1日は、誰のためにありますか?
(出典:生活時間に関する研究(DLRI))
通勤時間・労働時間と幸福度の負の相関に注目
平日通勤平均1時間19分で幸福度平均5.9点との関連
電車の揺れに身を預けているとき、ふと「この時間、なんだかもったいないな」と思う瞬間があります。
それもそのはず、内閣府の調査(2022年)によると、
日本人の平日の通勤時間は平均1時間19分にのぼります。
さらに、幸福度に関する指標では、通勤時間が長い層ほど自己評価が低くなる傾向が明らかに。
実際、平均通勤時間が1時間を超えると、主観的幸福度の平均は5.9点まで下がるというデータもあります。
(出典:国民生活基礎調査/内閣府 幸福度指標分析)
私も片道90分の通勤をしていた頃は、朝起きるのが億劫で、帰宅後は何も手につきませんでした。
たとえスマホで動画を見たりしても、心は晴れないまま。
それが毎日続くと、人生そのものにどこか色がなくなるような気さえしたんです。
果たして、私たちは何のために“移動し続けている”のでしょうか?
長時間労働と幸福度低下の科学的根拠
朝7時に家を出て、帰宅は21時。
この生活を数年続けていたある日、ふと倒れたんです。
体が悲鳴を上げていました。
過労による自律神経失調症。
何気なくこなしていた毎日が、じつは削られていたんだと気づいた瞬間でした。
厚労省の「労働時間等総合実態調査」によれば、
週60時間を超える労働をしている人の割合は、依然として10%近く存在しています。
また、労働時間が長くなるほど睡眠時間が短縮され、精神的ストレスが高まる傾向も明らかにされています。
これはもう、数字の問題ではなく、“生き方”の問題だと思うのです。
(出典:労働時間等総合実態調査(厚生労働省))
とはいえ、簡単に勤務時間を減らせないという方もいるでしょう。
だからこそ、まずは「時間の記録」から始めてみてください。
一日の中で何にどれだけ時間を費やしているのか。
それを把握するだけでも、気づきが変わってきます。
あなたの“時間の使い方”は、あなたの価値観そのものです。
TAR(時間的余裕度)と幸福度の関係:TAR値上昇で満足度向上
さて、時間の余裕が増えると、人の幸福度はどう変化するのでしょうか?
STAK株式会社が公表した時間的余裕度(TAR)の指標によると、
TAR値が60%を超える人々の主観的幸福度は7.3点と非常に高い傾向を示しました。
一方で、TARが30%未満の層は、年収が高くても5.9点と低め。
つまり、「どれだけ稼いでいるか」より「どれだけ自分の時間を持てているか」が重要なのです。
私がフルリモートに切り替えたのはこの指標を知ったことがきっかけでした。
通勤時間がゼロになると、朝に散歩ができるようになった。
昼に軽く昼寝できるようになった。
それだけで、一日の質が格段に変わったんです。
もちろん、TARが全てではありません。
でも、「自由な時間をどれだけ持っているか?」は、確実に人生の質に直結します。
あなたは、何に時間を投資したいですか?
幸福度6.6点の構成要素と価値観整理の効果
日本の主観的幸福度平均は6.6点
あなたは今、自分の人生にどれくらい満足していますか?
内閣府が行った調査によれば、日本人の主観的幸福度の平均スコアは6.6点。
10点満点中です。
そして興味深いのが、年齢別に見ると30代〜50代の働き盛り世代で幸福度が低くなるという“U字型カーブ”を描く傾向がある点です。
(出典:国民生活に関する世論調査(内閣府))
私自身も、40代前半で一度「これが本当に自分の望んだ生活だったのか」と立ち止まりました。
仕事に追われる日々、家族とすれ違う時間、自己成長への焦り。
数字だけで語れる問題ではありませんが、「なんとなく満たされない」は確実に存在します。
では、その正体は一体なんなのでしょう?
時間的余裕、仕事、健康、交友などが幸福度要因に寄与
国立社会保障・人口問題研究所の分析によると、
幸福度に影響する因子として特に大きいのが「時間的余裕」「人間関係」「心身の健康」「仕事の充実感」です。
この4つがバランスよく整っている人ほど、幸福度が高くなる傾向が確認されています。
(出典:Well-being指標に関する研究(国立社会保障・人口問題研究所))
私の友人は、収入は高かったのに「毎日人と話さない」「夜中まで働きづめ」といった環境で、
心身を壊してしまいました。
逆に、年収は平均レベルでも、午後に毎日1時間の散歩時間を確保している彼女は、
「毎日がありがたい」と笑顔で話します。
あなたの“満足度の源泉”はどこにありますか?
一度立ち止まって考える時間をとってみてください。
精神的ゆとり感が経済的・時間的ゆとりより幸福度に強く影響
よくある誤解があります。
「お金があれば幸せになれる」というもの。
たしかに、経済的な安定は安心につながります。
ですが、同じ年収でも幸福度に差が出る理由はどこにあるのでしょう?
実は、“精神的なゆとり”の有無が大きく影響しているのです。
DLRIの研究でも、精神的余裕のある人は年収に関係なく高い主観的幸福度を示すと報告されています。
(出典:生活時間に関する研究(DLRI))
たとえば、私が経験した転職後の環境では、年収が少し下がったにもかかわらず、
“自分の裁量で決められる”という感覚が幸福度を押し上げていました。
要は、自分のリズムで物事を選べるかどうか。
日々に「追われている」のか「選んでいる」のかで、感じ方はまったく違うんですよね。
あなたはどちら側にいますか?
まとめ
毎日がなんとなく忙しい。
気づけば時間に追われて、息をつく暇もない。
そんな日々に慣れてしまっていませんか?
でも、本当に大切なことは、予定を詰め込むことではありません。
むしろ「余白」こそが、人生の質を決めるのです。
総務省のデータが示すように、日本人の自由時間は意外と存在しています。
その時間をどう使うか。
そこにあなたの価値観がにじみ出ます。
幸福度という数値は、単なる自己満足ではなく、日々の積み重ねの結果です。
家族との時間、健康の維持、好きなことへの投資。
どれも見過ごしてはいけない“幸福の根っこ”です。
私も何度も間違えました。
仕事を優先しすぎて人間関係が希薄になった時期もありました。
「やりたいことは定年後に」なんて先延ばしをして、今を犠牲にしたこともあります。
でも、今なら言えます。
少しずつでいいから、自分の時間に責任を持つ。
たった15分の散歩でも、読書でも、ストレッチでもいいんです。
誰かのペースに合わせるのではなく、あなた自身のリズムで暮らすこと。
その一歩が、人生を変える大きな転機になるかもしれません。
幸せの定義は、人それぞれです。
でも、心から「これでいい」と思える瞬間を増やすことは、誰にとっても価値ある挑戦ではないでしょうか。
あなたの時間は、あなたのものです。
今日から、その使い方を見直してみませんか?