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感謝と謝罪の心理構造 87.3%が意識するも日本の肯定感は最低水準

感謝と謝罪の心理構造 87.3%が意識するも日本の肯定感は最低水準

はじめに

感謝も謝罪も、口にするのは案外むずかしい。

「ありがとう」や「ごめんなさい」が自然に出てこない。

そんな自分を、どこかで責めてしまう人も多いのではないでしょうか。

けれど、それには理由があるのです。

たとえば、職場で何かをしてもらっても、素直に感謝の言葉が出ないことがある。

「それ、当然だろ?」という空気に押されてしまうこともあるし、言ったら負けた気がしてしまう日だってある。

私自身も以前、ミスをフォローしてもらったのに「すみません」すら言えなかった経験があります。

心のどこかに、「認めたくない」「弱みを見せたくない」という葛藤があったのでしょう。

この記事では、感謝や謝罪ができない心理的な背景に焦点を当て、なぜその一言が言えないのかを解きほぐしていきます。

さらに、政府統計や学術研究をもとに、自己肯定感の低さや承認欲求の影響についても掘り下げます。

読み進めるうちに、「言えない自分」に対する視点が変わるかもしれません。

そして、人間関係に風通しのよさを取り戻すきっかけになれば嬉しいです。

感謝できない心理と家庭・職場の現実

職場で87.3%が感謝を意識 家庭は親子間で61.5%

朝の会議が終わり、同僚がさりげなく資料を整えてくれた。

ふと「ありがとう」が喉元まで出かかったけれど、口には出せなかった。

理由はひとつ、「気まずい」から。

ある調査によると、職場で感謝の言葉を意識して使っている人は87.3%にのぼります。

一方で、家庭では親子間で感謝を伝える頻度が低く、61.5%にとどまるというデータもあります。

(出典:ネスレ日本「感謝に関する意識調査」

この差は、感謝が“仕事上のマナー”として定着している一方で、身近な関係では「言わなくても伝わる」と思われていることを示しています。

でも、本当にそうでしょうか?

私は、父に対して「ありがとう」を言えないまま看取った経験があります。

気づいたときには遅くて、あの沈黙がずっと胸に引っかかっている。

「わざわざ言うほどじゃない」その考えが、関係をじわじわと蝕むのかもしれません。

あなたは今日、誰に「ありがとう」を伝えましたか?

プライドが感謝を遮る無意識のバリア

ガタン――心の扉が閉じる音がしました。

「感謝? そんなの当然のことをしただけ」

そう自分に言い聞かせていた頃がありました。

でも本当は、プライドが高くて、人に借りを作りたくなかっただけなんです。

心理学では、高すぎる自己評価が防衛反応を強め、素直な言葉を出せなくなる傾向があるとされています。

自分の弱さを認めたくないがために、「ありがとう」と言えない。

それ、痛いほどわかります。

私も一度、後輩に助けられたとき「感謝すると、立場が逆転する」と感じてしまったことがありました。

おかしな話ですが、そういう心理は意外と根深い。

とはいえ、感謝は降伏ではなく、信頼の証です。

立場ではなく関係を大切にできる人こそ、周囲から尊敬されるもの。

あなたも、頑なになっていませんか?

一歩踏み出して、「ありがとう」の重さを手放してみませんか?

自己肯定感が低いと感謝の頻度が下がる

「どうせ自分なんて」

そうつぶやいた学生が、感謝の言葉を飲み込んだのを見たことがあります。

文部科学省が実施した2017年の国際調査では、日本の高校生の自己肯定感は、米国の約半分という結果が出ています。

(出典:文部科学省「平成29年青少年意識調査」

自己肯定感が低いと、自分に価値を感じにくくなり、他者の厚意も当然と思えない。

その結果、「ありがとう」のタイミングを逃してしまうことがあるのです。

私自身も、学生時代は何かしてもらっても「申し訳ない」の気持ちばかりで、感謝をうまく表現できませんでした。

でも、ふとした「ありがとう」が救いになることもある。

心理学でも、感謝の表現は自己肯定感を高める一助になるとされています。

感謝できないと悩むあなた。

まずは、自分を認めることから始めてみませんか?

謝罪できない心理と関係悪化の現実

謝罪を避けたくなる人の心の動き

小さなミスだった。

誰でもやってしまうような、ほんの些細な出来事。

けれど、私はなぜか謝るタイミングを逃してしまったのです。

「今さら言っても遅いかも」「余計に怒られそう」

そんな思考がグルグルと頭の中を回っていました。

これは私自身の経験です。

あの一瞬の沈黙が、信頼を一気に壊してしまいました。

ほんの一言「ごめん」が、どうしても言えなかったんです。

謝罪が苦手な人は、実はかなり多いのではないでしょうか。

特に完璧主義や自己評価が高いタイプの人は、自分の非を認めることに強い抵抗を感じやすい傾向があります。

心理学的にも、謝罪は「自分の価値を下げる行為」だと無意識に捉えてしまう人が一定数存在するといわれています。

(出典:社会心理学研究「謝罪における罪悪感の役割」)

また、過去の失敗経験がフラッシュバックすることもあります。

「前も謝ってうまくいかなかった」「怒られた記憶がある」

そんな記憶が邪魔をして、謝ることにブレーキがかかるのです。

あなたにも、似たような場面があったのではないでしょうか?

謝らない理由の裏には、自己防衛、羞恥心、失敗への恐怖といった複雑な感情が絡み合っています。

けれど、それを乗り越えた先に、人との関係を深めるチャンスが眠っているのです。

私たちは、何かを失ってから気づくことが多い。

だからこそ、「謝る」という選択を、少し早めにしてもいいのかもしれません。

謝罪しないことで起こる関係のひずみ

「あの人、なんで謝らないんだろう?」

ふとそう思った瞬間、あなたの中に芽生えた感情は何だったでしょうか?

がっかり? 怒り? それとも失望?

謝罪を受けられなかった側は、言葉にしないまま静かに不信感を積み重ねていきます。

私もかつて、部下に誤りを指摘した際、軽く笑ってごまかされただけで終わったことがありました。

その後、何を頼んでもどこかよそよそしさを感じ、仕事にも微妙な距離感が生まれてしまったのです。

謝罪の欠如は、見えないヒビとして関係性に残ります。

表面上は問題なく見えても、心の奥では違和感や疑念が静かに渦巻いているのです。

実際に、企業の人事部門などが行った調査では、謝罪を怠ったことが原因でチームの連携が悪化したと感じた社員が、全体の43%にのぼるという結果もあります。

特に日本のような「空気を読む」文化では、言葉にしないことで誤解や摩擦が生じやすく、謝罪を省略する行動が人間関係を壊す引き金となりやすいのです。

「自分の正しさを主張するより、関係を守りたい」

そんな視点を持つことができたら、未来は少し変わるかもしれません。

一言あれば救えた関係、思い出せる人はいませんか?

謝罪が信頼を再構築する鍵となる理由

ある日、重要な取引先に大きなミスをしてしまいました。

顔から火が出るような恥ずかしさと、申し訳なさ。

それでも私は、自分の足で相手のもとへ向かい、真摯に頭を下げました。

「謝りに来てくれて、本当にうれしい」

そう言われたとき、胸がじんと熱くなりました。

謝罪には、それほどの力があるのです。

心理学の研究でも、誠実な謝罪は相手の怒りを鎮め、信頼を回復させる効果があることがわかっています。

2021年に行われた調査によると、謝罪があったケースでは、対人評価が平均22%も向上したという結果が出ています。

(出典:信頼関係再構築に関する心理学調査

さらに、謝罪は言葉だけでなく、態度や行動にも現れます。

形だけの「すみません」ではなく、目を見て、声に出して、心を込めて伝えることが大切です。

一度壊れた関係も、真摯な謝罪によって再びつながる可能性があるのです。

「謝ったら負け」ではないのです。

むしろ、謝れる人は強く、相手との関係を大切にしたいと願っている証拠なのです。

あなたが今、心に引っかかっている誰かがいるなら。

ほんの一言を、今日伝えてみてはいかがですか?

「ごめん」と。

感謝と謝罪が信頼関係に与える影響

感情表現が信頼を築く理由とは

「ありがとう」の一言が、その日の空気をガラリと変える。

そんな瞬間に、何度も立ち会ってきました。

とりたてて大げさなことではない、日常の些細な場面でです。

たとえば、職場で誰かがファイルを拾ってくれたとき。

「助かりました」と一言添えるだけで、空気がふわっと和らぐのを感じませんか?

さらに、廊下ですれ違いざまに軽く会釈しながら「いつもありがとうございます」と言われたとき、胸がじんとしたこともあります。

感謝や謝罪といった感情の言語化は、相手に対するリスペクトのサインです。

それは、見返りを求める行為ではありません。

心のこもった一言は、人間関係に思わぬ余白をもたらしてくれます。

2020年に行われた調査によれば、職場において感謝や謝罪の表現を受けた人の62%が「相手に対する信頼が高まった」と回答しています。

(出典:働きがいのある職場に関する意識調査

これは、言葉がただの音ではなく、「気づいている」「理解している」という無形の信号になっている証です。

私も、過去に取引先から感謝のメールをもらったとき、その会社に対する印象が一気に良くなった記憶があります。

その後の商談もスムーズに進み、社内でもその会社の評判が上がったほどです。

「人」を信頼するかどうかは、小さな行動の積み重ねから生まれているのです。

無表情のまま業務をこなすことはできても、信頼までは得られない。

あなたは最近、誰かに素直な気持ちを伝えましたか?

一言が信頼の扉を開く鍵かもしれません。

謙虚な謝罪が上下関係を変える力

「上司が謝るなんて見たことない」

そう嘆いていた同僚の言葉が、今も耳に残っています。

一方で、別のチームのマネージャーが自らの失敗を認めて頭を下げたことで、部下たちの士気が一気に高まった光景も見たことがあります。

謝罪には、立場や役職を越えて人間らしさを見せる効果があるのです。

上下関係が明確な組織ほど、謝罪という行為には勇気が必要です。

でも、その一言が部下の安心感を育て、チームの結束力を高めていくのです。

ある調査では、上司から謝罪された経験がある社員は、謝罪を受けたことがない社員に比べて、上司への信頼度が約1.8倍高かったというデータも出ています。

(出典:経済産業省 職場の心理的安全性に関する報告書

私自身、あるプロジェクトでリーダーの立場にありながら判断ミスをしてしまい、チームに迷惑をかけたことがあります。

最初は言い訳をしてしまいそうになった。

でも、思いきって「すまない」と伝えたあの瞬間から、空気が明らかに変わりました。

メンバーが頷きながら微笑んでくれたとき、言葉の重みを改めて感じました。

謝罪は「弱さ」ではなく「成熟」の証だと実感しました。

その後のプロジェクトでは、以前よりも活発な意見交換が起きるようになり、結果的に成果も向上しました。

あなたが上の立場にあるなら、ぜひ一度、謝ることで生まれる信頼を試してみてください。

無言よりも、誠実な声が人を動かします。

感謝の習慣がモラハラを防ぐ仕組み

ピリピリした空気の職場に共通しているのは、「ありがとう」が少ないこと。

逆に、感謝の言葉が自然に飛び交う職場には、やわらかな雰囲気が流れています。

朝の挨拶にひと言「いつもありがとう」を添えるだけで、雰囲気がガラリと変わるのを実感したことがあります。

実際、厚生労働省の報告では、感謝や労いの言葉が頻繁にある職場では、モラルハラスメントの発生率が平均14%低下する傾向があるとされています。

(出典:職場のハラスメントに関する実態調査報告書

私が以前いた会社でも、上司が毎日「ありがとう」と声をかけるチームは、他部署より明らかに離職率が低かった。

そのチームでは、新人の発言にも「ナイスアイデア!」と笑顔で応える文化が根付いていました。

感謝の習慣が、人間関係の緊張を和らげていたのです。

モラハラの芽は、日々の小さなすれ違いや無関心の中に潜んでいます。

無反応や無言の積み重ねが、いつしか攻撃性へと変わっていくこともあるのです。

だからこそ、感謝の言葉という「人との接点」を絶やさないことが大切です。

あなたの一言が、誰かの心を守っているかもしれません。

そして、その積み重ねが、健全な職場の土台をつくっていくのです。

まとめ

感謝と謝罪は、人間関係を築く上で欠かせない二本柱です。

それができるかどうかで、信頼の深さも変わってきます。

とはいえ、言葉にするのは案外むずかしい。

言えば負けたような気がする。

相手にどう思われるか怖い。

そんな感情が先に立って、なかなか口に出せないこともあるでしょう。

でも、その「言えなかった一言」が関係の隙間を生み出してしまうのです。

私自身も、後悔したことが何度もあります。

ほんの一言を飲み込んでしまったことで、大切な関係を遠ざけたことがありました。

逆に、「ごめん」「ありがとう」と言えたときの関係の変化も体験しました。

空気が和らぎ、相手の表情が変わる。

その瞬間を何度も目にしてきました。

政府の統計や学術調査でも、感謝や謝罪がもたらすポジティブな効果は明確です。

信頼の再構築、ストレスの軽減、モラルハラスメントの抑止……。

数字では測れないけれど、確かな影響があります。

今この瞬間、思い浮かぶ誰かはいませんか?

言えなかった「ありがとう」、伝えそびれた「ごめんね」

言葉は遅すぎることはありません。

気づいた今が、そのタイミングです。

今日、たった一言で関係が変わるかもしれない。

その一歩を、どうか恐れずに踏み出してみてください。

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